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簿記と経営


 ▼簿記は世界共通

 ▼簿記とは

 ▼パソコン簿記

 ▼会計とは

 ▼会計教育の重要性

 ▼経営の分析力


簿記は世界共通

 会計は、簿記や原価計算を含む実務です。欧米には会計教育というのがありますが、日本の義務教育にはありません。会計自体が特別なものだったようです。

 例えば、簿記が500年以上の歴史を持つ、グローバルスタンダードだということをご存じでしょうか。
 また、経済社会において、簿記は最も偉大な発明であると言われていることをご存じでしょうか。
 このコーナーでは、会計上の中心的実務「簿記・原価計算」のスキルアップを応援するための様々な情報を提供します。


簿記のよくある誤解


 世の中には、事実とは異なる情報が氾濫していますが、簿記も誤解されていることが多いようです。

 例えば、「簿記は、仕訳パターンを暗記することが重要である。」
 これは初歩的な誤解です。パターンを覚えなくても簿記は出来ます。

 次に、「簿記は、簿記ソフトがあれば、記帳や決算方法を知らなくても良い。」
 これも結構多い誤解です。パソコンに精通しているからと言って簿記は出来ません。
 全く違うジャンルなのです。

 それから、「簿記は、税務申告のためだけに記帳するものである。」というもの。
 このような誤解をしている人も実際いらっしゃいます。

 何れにしても、前述の考えは全て誤解ですし、間違った考えです。


簿記とは

 簿記は、世界共通の言語です。

 簿記は、15世紀末に書物としてイタリアで初めて登場して以来、その基本ルールは今も一切変わっていません。
 しかも、その記帳技術(複式記帳)は画期的で、かつ完成されたものであったため、各国にすぐ広がり、国際標準の記帳方法となりました。

 また、簿記は論理的かつ柔軟性のある実務です。

 簿記のルールは実にシンプルです。資産・負債・資本・費用・収益の違いがわかれば、自由自在に記帳が出来るのです。ですから、「仕訳はこうしなくてはいけない」というような固執した考えはもともとありません。

 さらに、簿記は経験により習得する技術です。

 簿記は、知識というよりは技術なのです。
 その証拠に、簿記を使わないでいたら忘れてしまったということはありませんか。
 簿記は仕訳を切ってナンボ、帳簿を閉めてナンボの世界です。経験がモノを言う技術なのです。


簿記を始めよう

 簿記は一定のルールの中での技術プレーです。ある意味では、ゲームやスポーツに似た性格を持ちますから、本来は面白いものなのです。

 簿記を知らない方、毛嫌いしている方、挑戦したけど挫折した方、意識を変えて簿記を初めてみませんか。
 当サイトでもそのための情報や意見交換の場を提供しています。ご活用ください。

 皆さんにとって、きっと新しい世界が広がると思います。


税務署の簿記事情

 日常、何の根拠もなく当たり前だと思っていることが、実は全然違っていたということがありませんか。

 税務署についても、ひょっとしたら誤解だらけの職域なのかもしれません。

 例えば、税務署の職員は、「経営に明るく、確定申告に必要な複式簿記も習得している。」と思うのが常識的な考え方ではないでしょうか。

 しかし、それは誤解のようです。

 実際、税務署のある職員を訪ねたことがあります。
 彼は、簿記記帳に関して全く知識を持っていませんでしたし、こういう話もしてくれました。
 「私達は、簿記記帳の手法に関しては関知しません。自己責任の中で記帳してくれれば良いのです。」

 つまり、税務署は、決算に至るまでの経過よりも、結果を重視しているということのようです。


簿記の英略語


 簿記には、独特の英略語が登場してきます。ただ、元の単語について説明のあるテ
キストは少ないのではないでしょうか。

 以下は、英略語の元の単語を整理したものです。英略語、英単語、日本簿の順で記
載しましたので、参考にしてください。

A/C account 勘定
P/L profit and loss statement 損益計算書
T/B trial balance 試算表
S/S statement of surplus 
F/S financial statement 財務諸表
B/S balance sheet 貸借対照表
C/S cash flow statement キャッシュフロー計算書

NPV net present value method 正味現在価値法
IRR internal rate of return 内部利益率法
PI profitability index method 収益性指数法

ROI rate of return on investment 投下資本利益率
RI residual income 残余利益

LP linear Programming リニアー・プログラミング(線形計画法)
CVP cost volume profit 損益分岐分析はCVP分析の特殊形

AQ actual quantity 実際の
BQ budget quantity 予算

Leverage てこ
Commit 約束する
Accounting 会計
Book keeping 簿記
cost accounting 原価計算
normal operating cycle basis 正常営業循環基準


農業簿記の問題点

 農家の方で、ご自分で青色申告をされている方は沢山いらっしゃると思いますが、農業の複式簿記の場合、ややこしいとか、難しいとか、何でこうなるのとか感じたことはありませんか。

 実は、そのような感覚は自然であり、農業の複式簿記というのは一般の複式簿記以上に難しいのです。しかも、時代錯誤的な問題もあるようです。

 では、どのような点が問題なのでしょうか。

 農産物販売の認識時点の問題があります。農産物生産で米や麦等の品目は、生産した時点で販売されたと見なし、仕訳をします。この考え方を収穫基準といいますが、このような考え方は、個別経営で考えれば農業しかありません。売ってもいないものを売ったことにする。ちょっと可笑しいと思いませんか。

 国税庁は、基本的に税金を早期に回収するという考え方で税務申告を要求しています。例えば、減価償却方法で、原則定率法は認めず定額法によると言うものがありますが、これは費用の前倒しは認めず、利益を早いタイミングで出させることで税金を早期回収しようという考え方の典型です。

 さて、米等は、以前は政府が責任をもって買い上げましたから、生産した時点で安定した価格で販売されることが保証されていました。となると、国税庁は税金の早期回収という考え方により、当然生産した時点で収益とすべきでしょうとしたのが、収穫基準だったようです。

 ところが、米等の現状はどうでしょうか。既に全量を政府が安定した価格で買い上げていたのは過去の話で、現在は自由に販売出来るようになっていますし、販売業者への出荷も市場価格が反映され、米の相場は乱高下しています。収穫基準の前提は崩れてしまったのです。

 収穫基準は時代遅れの考え方だと思います。販売基準に統一すべきでしょう。


パソコン簿記


 現在、簿記記帳をしている方で伝票会計等、手作業で仕訳や帳簿作成している方は少ないのではないでしょうか。

 多くの方が、パソコンを使用した簿記ソフトによる記帳を行っていると思います。また、簿記ソフトユーザーは益々増えるのではないでしょうか。

 なぜ増えるかと言う理由は簡単で、簿記システムとパソコン機能の相性が非常に良いため、作業の効率化は明らかで、特に税制改正に伴う消費税の確定申告事業者は、その煩雑さを解消するため簿記ソフトによる記帳に切り替えると考えられるからです。

 例えば、ライブドアは、簿記ソフト最大手の「弥生」を買収していますが、これは簿記ソフト事業の将来性を買った投資だったのではないでしょうか。

 一般企業においても、ビジネスマンの必須スキルとしてパソコンの情報処理能力を求めており、特に専門分野の情報処理能力は、即戦力として期待されているところです。

 パソコン簿記は、その一端を担っており、今後は新たな簿記の領域として位置付けがなされてくると考えています。


パソコン簿記の資格 CSAJパソコン財務会計主任者試験

 パソコン簿記の体系は、国際レベルで統一されているものではありません。

 しかし、日本においては、平成7年から、簿記ソフト等を開発する企業が中心となり、JPSA(財団法人・パーソナルコンピュータソフトウェア協会)を立ち上げ、経産省の認可を得て、パソコン簿記の資格制度を創設ました。
 現在は、CSAJ(社団法人コンピューターソフトウェア協会)と名称が変っています。
 

 CSAJでは、パソコン財務会計主任者試験1級、2級が用意され、一般企業でのスキルアップや、就職のための資格として認知され始めました。

 試験制度や教育機関の整備等、改善すべき点は残っているようですが、今後、価値ある資格となる可能性が高い試験制度だと思います。



パソコン財務会計主任者試験1級のチェックポイント

 問題の内容は日商2級レベルなのですが、簿記ソフト操作による試験であり、時間はかなり短く、効率性が求められます。
 私の経験を元に、試験前のチェックポイントをご紹介します。参考にしてください。

 <時間短縮のポイント>
  入力はなれた入力方法で。
  1000は、/キーを使う。
  外税か内税か→勘定科目修正で変更。
  付箋マークは、関連する仕訳だけを集計することが出来る。
  各勘定科目の残高は、元帳確認が一番早いか。
  無い科目をどうする→最後に修正。

 <入力ミス防止のポイント>
  開始残高入力において、入力中に記入がずれることがあるので注意。
  開始残高入力のミス確認→差額から推定。
  読み取りミスに注意→例45000と54000。
  仕入・売上の手数料について、当方負担分は必ずチェック→見落とすと致命的。
  適用の〔〕書きに注意。
  製造業の場合、"工場・・・"とつく摘要は、製造原価。
  減価償却費→月毎の入力になる場合、各月毎に計上することを忘れずに。
  決算整理事項→長借から短借への振り替え。
  買掛帳等はカーソルを移動すると消費税が表示される。

 <解答ミス防止のポイント>
 
 税込み、税抜きは随時チェック。
  解答の端数表示>例 ×72.45% ○72.5%
  残高試算表で、貸方残高を読むのか残高合計を読むのか注意
  期中登録の注意→期末残高の確認は、仕訳帳ではなく、元帳残高によること
  比率分析→"設定・集計基準"がB/S科目の月末残高平均と最終残高があるので注意。
  弥生の場合、比率分析は税抜きにしかならない。
  手集計の場合、画面をスクロールさせないと見えない場合があるので注意
  補助元帳は"税抜きチェック"を入れても税込み表示になるので要注意
  弥生03の消費税集計表は使えない→消費税として4%で計算しているから。

 <その他>
 
 単位の記入を忘れない。
  当座比率の式がわかるか
  消費税は前払い時に支出しており、仕訳もその時点で行われる。
  期末に一括して買掛金と相殺>買掛金を立替金で差引いているということ


会計を知らずして日経は読めず

 例えば、多くの経営者やビジネスマンは日経新聞を読んでいますよね。
 しかし、日経新聞の多くの記事は、会計を知らずして読み込むことは難しいのかもしれません。特に、経済との関わりや、市場、経営の分野は、会計を知らない人には理解出来ないようです。

 このことは、経営コンサルタントKFi代表の木村剛氏の著書「会計戦略の発想法」の中でも述べられています。


会計とは

  「会計」は、良く耳にする言葉ですが、身近に感じない言葉でもあります。

 会計とは、お金を扱う実務のことです。
 具体的に言いますと、利益計画から始まって、予算管理、資金管理、簿記記帳、決算書作成、財務分析、原価計算、投資決定、資金調達、配当政策等、様々な内容が会計に含まれています。

 「会計とは、金銭を尺度とした経営管理技術である」とも言えるようです。
 ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、経営管理技術を教えることが会計教育と言えるかもしれません。

 会計教育は普通の方には馴染みの無いものです。
 なぜなら、義務教育課程では習いませんし、高校や大学に進学しても、専門の商業科や商学部でもなければ触れることが無いからです。

 私達は、社会人になり、仕事を持ち、ある一定の責任を持って、場合によっては部下を持ち、いろいろ形は違えども、大多数は組織経営の中で仕事をして、給料を得ています。
 言い換えますと、私達は金銭を尺度として経営に参画しているわけでして、会計を知ることが経営により良く参画することに繋がるのです。

 自分達の組織を良く理解するためには、会計を知らないと本質的な理解が出来ないわけです。これは、京セラ会長の稲盛和夫氏もその著書の中で言っていることでもあります。


会計教育の重要性

 私達の頭の中は、感覚的に加減算で物事を判断するようです。
 例えば、収支計算書などは誰に教わることも無く理解出来るでしょう。入ってきた額から、出て行った額を差引いたものが手元に残る額ですよということです。

 財務諸表の一つである損益計算書は、これに非常に似ており、馴染みやすく大抵の方は理解出来ます。売った金額から、かかった費用を差引いたものが利益ですよということですよね。ところが、同じ財務諸表でも貸借対照表となると話は違ってきます。

 貸借対照表には、資本の部が含まれていますが、これが難しいのです。感覚的に理解しにくいものです。
 そして、損益計算書と貸借対照表が、財務諸表の根幹となり、会計の全てのベースになっています。
 しかし、会計が多くの人が必要となるスキルであるにもかかわらず、日本においては、義務教育では学ばないのです。

 アメリカでは、低学年の時から会計教育や起業家教育をカリキュラムにいれる学校が多く存在しています。これはアメリカの教育戦略であり、アメリカの場合、優秀な人物ほど起業家志向が強いという事実は、戦略が正に功を奏していると言えるでしょう。私達も、子供の成長著しい義務教育の時期にこそ会計教育を取り入れるべきなのではないでしょうか。


会計教育の今昔

 日本でも、最近、起業家教育を事業として取り組む会社が誕生していますが、残念ながら、会計教育はまだまだ軽んじられているようです。

「日本簿記史譚」によると、江戸時代にオランダ人が日本に入った際、複式簿記による会計知識が無いにもかかわらず、その帳簿(大福帳)の処理能力の高いことに大変驚いたそうです。なぜだかわかりますか。

 理由はそろばんです。私達の会計知識の不足分をそろばんによる計算力でカバーしていたのです。昔の日本は「そろばん」というツールにより、組織のマネジメントを可能にしていました。

 現在はどうでしょうか。そろばんはもはや特殊技能となり、会計教育も十分とは言えません。マネジメントツールが無いのです。

 経済学者であるピーター・F・ドラッガー氏は、日本人のマネジメントする能力は、世界でリーダーシップを取り得るものであることを認めています。日本がもう一度世界のリーダーとなるには、マネジメントがキーポイントとなるのではないでしょうか。そのためにも会計教育を重視した施策が必要だと思います。(終)


マネジメントの分かれ目は、経営の分析力

 マネジメントは、経営内容を測定することが重要なプロセスになします。
 「どんぶり勘定」という言葉がありますが、これは現状把握を放棄していることであり、マネジメント不在の危険な状況でもあるのです。

 そのためには会計情報をベースとした財務分析・経営分析が欠かせないのです。


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