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お金と数


 ▼リテラシー、読み書き計算

 ▼お金の教育

 ▼ファイナンシャル・プランニング

 ▼FPの魅力

 ▼FP合格体験記


リテラシー、読み書き計算

 リテラシーとは、その時代を生きるために最低限必要とされる素養を意味します。

 日本語で言えば、「読み書き計算」ということでしょうか。
 最近は、「読み書き計算」という言葉が風化しつつあるようです。
 子供たちの学力の低下から、読み書き計算の重要性がクローズアップされていますが、読まない、書かない、計算しない、が現状ではないでしょうか。

 リテラシー軽視の問題は、ジャーナリスト櫻井よし子氏の著書「教育が拓く未来(PHP)」や、東北大学教授である川島隆太氏の著書等でも取り上げられ、最終的に国力を低下させ、国家を没落させてしまうのだという考え方もあるようです。

 また「計算」もちょっと考えたい部分です。
 私達の社会で、数に触れる機会が最も多いのがお金です。
 お金と上手く付き合うための素養として計算は重要なのですが、その意識は全体的に希薄化しているのではないでしょうか。


お金の教育(その1)

 最近、子供の学力低下が叫ばれていますが、国際的に見ても、日本がトップクラスの学力があったのはもう過去のことであり、レベルが低下しているのは明らかなようです。

 教育の基本要素にリテラシーがあります。
 これは、日本風に言えば「読み書きそろばん」です。つまり、教育上の基本スキルとして文書理解力、表現力、計算力を身に付けさせるということです。

 現在の日本はどうでしょうか。
 本は読まなくなりましたし、表現力は依然として苦手とするところですし、以前得意としていた計算能力に至っては悲惨な状況です。


お金の教育(その2)

 今の子供教育の問題点って何でしょう。
 いろいろあると思いますが、本質的には子供教育の「目的」を見誤っているようです。
 具体的に言いますと、算数教育では、計算方法や考え方を学ぶこと自体を目的にしてしまっていることにあると思います。

 算数教育に必要なことは、むしろ単純な計算力を付けることではないでしょうか。
 東北大学教授の川島隆太博士が提唱する「単純計算の効能」も、計算力の本質的な重要性を示しているように思えるのです。


お金の教育(その3)

 お金は、あらゆる物や行動を統一的に比較測定出来る唯一の存在です。他のものでこれに代替出来るものは今のところありません。

 例えば、10キログラムの米と10分のタクシー乗車というのは、同じ「10」であっても単位が異なり、直接比較することは出来ません。しかし、10キログラムの米が3000円で、10分のタクシー乗車が500円だとすると、金額でその価値を比較出来るということです。

 経済社会において、ほとんど全ての物や行動がお金という"ものさし"で普遍的に価値を測定出来るのです。

 金銭教育や消費者教育という言葉があります。
 アメリカやイギリスの教育現場で普及しているもので、国民が生活するうえで、お金との良い関係を築けるように教育しましょうというのが本質的な部分かと思います。その歴史は意外と古く、1970年代から使われ出して、実際に教育カリキュラムの中に広く取り入れられています。

 一方、日本はどうでしょうか。
 金融広報中央委員会が金銭教育の運動を初めていますが、義務教育の現場で触れられることはありませんでした。
 また前述のように、金銭感覚をつけるために計算力を付けることが必要だとすれば、すぐにでも教育現場で取り組むべき課題だと思います。


ファイナンシャル・プランニング

 ファイナンシャル・プランニングとは、個人のライフデザイン(生き方)とライフプラン(生涯生活設計)を実現するためのものです。

 具体的には、個人の収入・支出、資産・負債、保障内容などに関するあらゆるデータを集め、必要に応じて専門家の協力を得ながら現状分析を行い、貯蓄・運用プラン、住宅取得プラン、教育資金プラン、老後資金プラン、生活保障プラン、タックスプラン、相続・事業承継プランなどパーソナル・ファイナンスに関するさまざまなプランを個人のライフプランにそって立案し、併せて実行援助と見直しをすることを意味しています。

 立案や実行援助は、他人に対してだけでなく、自分に対しても当然有り得るもので、ご自分のライフプランを自由にデザイン出来たら最高だと思いませんか。

 ファイナンシャル・プランニングは、ライフプランをデザインするための、実務的な知識体系です。


ファイナンス(Finance)とは

 ファイナンスとは、新明解国語辞典 第五版(三省堂)によると、「政府・企業の財政状態」と書かれています。しかし現代社会においては、政府や企業の他、個人や家庭の財政状態をマネジメントすることを「ファイナンス」と捉えているようです。

 ファイナンスは、学問的には「時間軸上における希少資源の分配手法」を指しますが、ノーベル経済学賞受賞者であるロバート・C・マートン等の著書「現代ファイナンス論」(ピアソン・エデュケーション)によれば、「人々の衣食住といった基本ニーズを含む、消費選好を満足させる手法」であるとも説明しています。


FPの魅力

「FP」とは、ファイナンシャル・プランニングやファイナンシャル・プランナーの英語の頭文字をとったものです。
 私達は、経済社会で生活し、経済の媒介ともなる莫大な量のお金が日々動いているのですが、お金に関する知識たるや大変陳腐なものです。
 ちまたに出回る雑誌や新聞の記事や特集を読むことで、お金に関する情報を得ることは出来そうですが、そのような断片的な情報では、知識として役に立つことはあまり無いのではないでしょうか。

 少しお考えください。

・・・・・

 あなたの一生で、必要となるお金はいくらですか。
 実際使うお金はいくらですか。
 そのお金を得るためにどう働いたら良いのですか。どう殖やしたら良いのですか。
 銀行に預金しているお金はどのように使われているのでしょうか。
 個人向け国債をするということは何を意味するのでしょうか。
 何に投資をしていますか。投資とギャンブルの違いは何でしょうか。
 私達の給料から引かれる厚生年金で、どのような老後の暮らしが待っているのでしょうか。
 その厚生年金はどこでどのように管理されているのでしょうか。
 あなたの保険の適正な内容と額はいくらなのでしょうか。
 今払っている税金は払いすぎではありませんか。

・・・・・

 いかがでしょうか。

 多くの方の場合、この手の質問に答えることは難しいのかもしれません。
 なぜなら、私達はそういう教育を受けてこなかったからです。
 現在、金銭教育の関する取り組みで少しずつ始まっていますが、今までは教育現場で取り上げることが殆どありませんでした。
 自己の責任に基づいて、自分の生活を守り、豊かな暮らしを実現する。それが確実な方法だと思います。
 しかし、豊かな暮らしには、ある程度のお金が必要になってきます。

 FP(ファイナンシャル・プランニング)は、お金との良い関係を作り、安心できる人生設計を可能にするものだと思います。


FPと報徳仕法

 最近、FPという言葉をよく耳にするようになりました。
 それは、国や地方自治体、会社だけに依存出来ない時代の中で、暮らしを守るためのファイナンシャル・プランニング意識が高まっているからだと思います。
 自分の人生は自分でマネジメントする。一見当たり前のことですが、ファイナンシャル・プランニングの出発点であると考えています。

 ファイナンシャル・プランニングという概念はアメリカで生まれましたが、その基本思考は、江戸末期の日本に既にも存在していたようです。

 それは「報徳仕法」です。
 報徳仕法とは、江戸末期に、二宮尊徳翁が、個人や商人をはじめ、幕府等の財政の建て直しを行った際の手法のことです。
 私達は、こういう時代だからこそ、古き教えにも耳を傾けるべき時なのかもしれません。


FPの資格を取ろう。

 FPは、ファイナンシャル・プランニングという意味の他に、ファイナンシャル・プランナーという意味もあります。
 最近では、FPといえばファイナンシャル・プランナーを指すようになりました。
 FPの知識は、社会人の私達にとって一生涯役に立つ知識です。
 また、FPの資格を取ると、勉強会にも参加出来るし、就職にも有利だと思います。
 詳しくは、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会のサイトで紹介されていますのでごらんください。


FP受験体験記

FPの学習を始めたきっかけ
 私がFPの学習を始めたのは、社会人の知識として社会保障制度・保険等を体系的に知りたいという単純な動機で、3級FP技能士程度の知識を習得したいと考えていたのです。市販のテキスト(K研究会のもの)で独学していたのですが、非常に分かり難いものでした。また、自分が如何にこの分野に無知であったかということも痛感しました。そこで、どうせ知識を得るなら、正規な教育を受け、社会的認知の得られるAFPを取ろうと考えたのです。

試験対策
 私の場合、テキストと問題集を交互に進めながら、テキストにマーカーやメモを書き加え覚えていきました。これを繰り返すことで、難解と思われた部分(所得税等)も、体系的に理解出来たと思います。
 また、インターネットにサイトに、解説付きの過去問題(回別・テーマ別)がまとめられていたので、積極的に活用されることをお勧めします。私も3回程解いて、自分の弱点をチェックしてから試験にのぞみました。

試験当日について
 私は、AFP資格を取得するため、日本FP協会が実施する2級FP技能検定を受験しました。受験日は平成16年5月で、会場はK市のY予備校でした。

 通信で学習し、始めての受験だったため、どのような人が受験するのか全然わからなかったのですが、生保や損保、または銀行のOLが多いのではないかと思っていました。しかし、会場に足を運んでみると、以外や以外7割から8割は男性です。しかも、私よりも年配と思われる方々が多いことには驚きました(ちなみに私は当時38歳)。

 資格を取れば手取りが増えるとか、仕事を有利に進めるためのライセンスとして受験されているのでしょうか。現役ビジネスマンという感じの方が一番多かったように思います。

 会場は、ワンフロアで行われ、200名前後の受験者がいたように思います。AFPの合格率は、2割〜3割と言われていましたから、この会場で合格するのは40〜60名。公務員で受験していたのは私ぐらいでしょうが、受験したからには絶対合格したい。5人家族の大黒柱が、なけなしの金をはたいて受験しているわけです。5月のゴールデンウィークは、家族サービスを勘弁してもらって猛烈に勉強しました。

 試験科目は学科試験と実技試験があり、午前と午後に分かれて行われます。私の場合、実技試験が練習不足気味だったところもあったのですが、最低でも学科は合格しようと思い、午前の学科試験に重点を入れて受験しました。

マークシート
 実は、受験上で実験したことがあります。学科試験の場合、マークシート方式になるため、あらかじめHBの鉛筆か、HBのシャープペンで解答するようになっています。でも、私は、Hのシャーペンを使って解答しました。リスクマネジメントの観点からすれば、絶対有り得ない対応なのですが、そもそもHBとHの鉛の量を機械が区別出来るのかという疑問がありHを使ったのです。かなり冷や汗ものだったのですが、結果的には合格したのですから、Hのシャープペンでもマークシートは対応出来るという事実が判明しました。でも、わざわざ真似する必要も無いと思います。

試験結果
 自己採点の結果は、学科が約70点、実技試験が約90点です。学科に力を入れたのですが点が伸びず、不安視していた実技が高得点。自分の思惑が外れることは、試験にはよくある事です。

 合格ラインがどちらも60点以上ですから、このままいけば合格なのですが、Hのシャーペンを使っていますのでいささか不安が残りました。試験一ヵ月後、合格発表があり自分合格を確認出来たときは、流石に一安心です。このときの合格率を見ると、学科試験は9%でした。かなり難しかったと言うことだと思います。

アドバイス
 最後に受験を検討されている方にアドバイスですが、受験者の年齢層に開きがあるせいか、さほど緊張感らしきものはないまま受験することが出来ました。試験時間も十分にあるので、日頃の努力の成果が十分発揮される試験なのではないでしょうか。

 ですから、コツコツと学習するのが合格の近道のようです。予断ですが、私が受験したときの席の斜め後ろの人は、50代の男の人でしたが、受験会場に来て、最初から最後までイビキをかいて寝ていました。学生じゃあるまいし、一体、何しに来たのでしょうか。受験することを職員のノルマにしているような会社があるのでしょうか。

最後に
 FPの知識は、社会人にとって必須であると思います。その意味でAFP等は、益々価値ある資格になると考えられますので、是非皆さんもチャレンジされてください。(終)




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